2010 Fiscal Year Annual Research Report
金属-絶縁物同時無電解析出法による金属-絶縁物ナノコンポジット薄膜の作製
Project/Area Number |
21560343
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
藤田 直幸 奈良工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (90249813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 誠 奈良工業高等専門学校, 電気工学科, 助教 (00534455)
西野 悟 奈良工業高等専門学校, 物質化学工学科, 講師 (20413817)
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Keywords | 金属-絶縁物同時無電解析出法 / 金属-絶縁物コンポジット薄膜 / 化学反応 / 溶液成膜 |
Research Abstract |
金属-絶縁物同時無電解析出法により,電磁波吸収材料や高周波インダクターなどへ利用可能な金属-絶縁物ナノコンポジット薄膜の作製を試みた.特に,今年度は,絶縁物に酸化物を用いた金属-酸化物ナノコンポジット薄膜の作製を行った.金属にコバルト(Co),酸化物に酸化セリウム(CeO_2)を選び,成膜を行った.CoとグリシンとDMABを含む溶液Aと,塩化セリウムとDMABを含む溶液Bを用意し,それらの溶液の混合比を変えて混合し,反応液とした,溶存酸素が酸化物の析出に必要なため,溶液に30分の空気バブリングを行い,反応液の温度は60℃とした.ガラス基板にクロムと銅の多層膜を蒸着で形成したものを基板にして,スズ,パラジウム系の触媒溶液を使って基板にパラジウム核を付着させた後,反応液に浸漬させて成膜を行った.その結果,XPSの測定により,金属Coと酸化物のCe-Oが析出していることが確かめられ,金属と酸化物が共存する薄膜の無電解による析出に成功した.また,溶液の混合比を変化させることで,膜中のCo含有量が0~100Vol.%の範囲の薄膜を得ることができ,昨年度のNi-Zn-O系よりも幅広い組成制御が可能であった.XRDやTEMによる観察から,膜中にホウ素が含まれアモルファス化していると考えられた.薄膜の保磁力は2.3KA/mであった。また,電位-pHを用いた理論計算を行い,錯体としてグリシンが有効に働いていることや,Co-Ce-Oの析出可能領域についての新たな知見を得ることができた.
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