Research Abstract |
本研究計画では,ハイパフォーマンスコンピューティング技術開発の一環として,専用計算機という方式に着目し,計算するターゲットをマイクロ波シミュレーションに特化させることにより,比較的安価かつポータブルに高性能かつ大規模メモリを有する計算機を実現させるべく,FDTD法専用計算機の開発を行った. 同研究課題に関連する研究実績として,これまで申請者は,検討したFDTD法専用計算機のアーキテクチャを,ハードウェア記述言語・VHDLを用いて回路設計し,論理シミュレーションによりあらかじめ動作確認した上で,市販のFPGAキットを用いて,それに実装可能な小規模問題に限定したうえで,同専用計算の実機での動作確認を行ってきた.これに対し本研究計画では,これまで市販のFPGAキットを流用していたために,専用計算機が限られたメモリ容量の範囲でしか実現できなかったのに対し,ハードウェアの制約なしに専用計算機のアーキテクチャを自由に実現できるようにすべく独自にプリント基板を作成することとし,実際の問題にも適用できる実用マシンの開発を行う. 初年度の本年度は,当初予定どおり,研究計画当初の段階で完了していた計算機アーキテクチャの詳細設計をもとに,主に,DRAMベースのFDTD専用計算機のプリント基板作成を実施し,マシン単体で正常に動作することを確認した. また,ホストPCとのインターフェースに関しては,当初,PCIインターフェースでの接続を想定していたが,汎用性・簡便性を重視し,USB接続に方式を変更した上で詳細設計を進め,これについても上記DRAMベースのFDTD法専用計算機に実装させ,正常にホストPCとデータの受け渡しができることを確認するところまで完了した. さらに,複数マシンによる並列処理方式の検討も同時に行い,将来の実機でのテストのために必要な接続ポート等のハードウェア的な実装も完了させた.
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