Research Abstract |
研究計画最終年の今年度は,前年度開発した並列処理用FDTD法マシンを多数台連動動作させ,実際に大規模計算における動作確認および性能評価を行った.またさらに,最新のハイエンド計算サーバマシンを導入し,本研究計画で開発した専用計算機との計算性能,消費電力などの比較を行った.具体的には下記の作業を実施した. 1.並列処理専用計算機との性能比較を行うべく,最新のCPUを有し,かつ専用のコンパイラを搭載したハイエンド計算サーバを導入した. 2.領域分割法にもとづくFDTD法の並列計算を6台連動の専用計算機にて,矩形導波管を例にマイクロ波シミュレーションを行い,ハイエンド計算サーバマシンおよびGPUとの性能比較を行った. 3.上記数値モデルでの計算実行例を通して,6台並列処理の専用計算機により,わずか50MHzの動作周波数でも,GPUには及ばないもののハイエンドCPUマシンよりも高性能処理が達成でき,かつ,対消費電力費では,他のどのシステムよりも格段に良い性能を発揮することを示した. 4.これら得られた研究成果は,2011年電磁界解析国際会議(COMPUMAG2011)にて研究発表を行い,学会会場にて,他の研究者との意見交換を行った. 5.また,同専用計算機をより効率的に動作させるべく,正方グリッド上で曲線形状の数値モデルが取扱えるPartically Filled Cell(PFC)法の実装を検討し,VHDLシミュレーションにて正常に動作することを確認した. 6.さらに,今後,より広い範囲の問題を取扱えるような機能拡張のための情報収集の一環として,PFC法を提案した研究機関であるダルムシュタットエ科大学の当該研究室から研究者を招へいし,講演会を実施した上で,これらのトピックスに関する研究討論を行った.
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