2009 Fiscal Year Annual Research Report
アンカリング力制御による光書き込み・消去型液晶電子ペーパーの創製
Project/Area Number |
21560346
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
山口 留美子 Akita University, 工学資源学部, 准教授 (30170799)
|
Keywords | 液晶 / 配向膜 / アンカリングエネルギー / 配向分割 / 架橋性高分子 / 異性化高分子 |
Research Abstract |
光書き込み・光消去方式による液晶電子ペーパーの創製を目的とし,液晶分子配向膜のアンカリング力(配向規制力)を変え,バルク中の液晶配列状態制御を試みた。 1光機能性材料を用いた配向膜作製:室温を挟んで光異性化によりガラス転移温度が変化する材料であるジアリールエテンを用い,アンカリング制御が可能な液晶配向膜としての評価を試みた。この材料をガラス基板上に薄膜化し,ラビングを行い,液晶を封入したが,液晶中に溶解したため,配向膜として用いることが困難であった。液晶中に溶解し,紫外線および可視光(550nm付近)の照射により光異性化が可能であることを確認した。フォトクロミック効果による光書き込み,および光消去が可能であった。架橋反応によるアンカリング力制御において,光書き込み特性には液晶材料依存性がないことを確認した。しかし,光消去が可能な液晶と不可能な液晶材料があった。紫外線照射による励起状態となった液晶が配向膜界面を改質していることが推測される。光消去特性の有無は,液晶材料にクエンチャーを添加することで制御可能であることを明らかにした。 2薄膜上における液晶配向アンカリング力評価:ジアリールエテン異性化により電気光学特性が変化することを明らかにしたが,これはアンカリング力変化よりも液晶物性値の変化によるところが大きいと推測される。 3液晶分子配列シミュレーション:フランクの弾性体理論とラフェニの表面アンカリングエネルギー理論にもとづき,有限なアンカリング力での液晶分子配列状態を数値解析的に求めるシミュレーションプログラムを構築した。本年は,ストライプパターンの配向分割をモデルとし,液晶の3種類の弾性定数をすべて等しいものと仮定したときの,分子配列状態算出した。向分割,いわゆる表示が可能となるためのアンカリング力と分割(表示)分解能の関係を数値解析的に明らかにすることができた。
|
Research Products
(10 results)