2009 Fiscal Year Annual Research Report
次世代ナノパーティクルFePt磁気記録媒体の新規作製
Project/Area Number |
21560348
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
石井 清 Utsunomiya University, 工学研究科, 教授 (30134258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 洋志 宇都宮大学, 工学研究科, 助教 (40375522)
齋藤 和史 宇都宮大学, 工学研究科, 助教 (70251080)
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Keywords | 磁気記録媒体 / 垂直磁気記録媒体 / スパッタ膜 / ガスフロースパッタ法 / FePt |
Research Abstract |
本研究では、ガスフロースパッタ法(GFS法)と呼ぶCVD領域(100Pa)の高圧力スパッタ法を用いることにより、「ナノ粒子薄膜の成長」を可能にし、また、L1_0相のFe-Pt合金において、なるべく低温においてL1_0構造に規則化を起こさせることにより大きな磁気異方性を発現させ、さらに、粒子間分離を完全にすることにより媒体ノイズの低減を図り、実用に近い特性を有する次世代磁気記録媒体として考えられているナノパーティクル媒体薄膜の作製することを目指す。具体的には、要求を満たす構造の薄膜が成長する条件を確立すること、また薄膜の構造解析と磁気特性の関連性を明らかにする実験研究を推進する。21年度においては、L1_0に規則化させるために、成膜中に基板加熱を行うことと成膜後に真空中で熱処理を加えることの2種類の過熱過程における膜構造への影響の違いを調べた。基板加熱を行う場合、成長温度を高めるとL1_0への規則化が進むが、膜構造は特異な変化を示し、先ず微細化が起き、さらに高温にすると結晶粒子の成長が進み粒子が大きくなる傾向が見られた。その結果、成長温度が300℃程度において、10nm程度の微粒子構造が現れ、しかもL1_0への規則化も高く(規則度が0.6以上)保磁力も7kOe以上の十分大きな値を示すことが明らかになった。一方、100℃以下の低温において成膜すると、GFS法の特徴としてL1_0に規則化が見られる一方、10nm以下の微結晶が凝集した2次組織を形成してボイドも形成されてしまった。それらの薄膜を熱処理すると、300℃程度の低温において規則化が進むが、結晶粒子の合体成長が進み、それに伴って不均一な構造となり、ナノパーティクル構造の構築には適さないことがわかった。今回初めて見出された成膜時の基板加熱により薄膜の微細化が進む現象は、ナノパーティクル媒体構造の構築に極めて有用なものである。また、そのメカニズムは堆積粒子の表面拡散と自己陰影効果により定性的であるが説明できた。
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Research Products
(13 results)