2010 Fiscal Year Annual Research Report
赤外線カメラを用いたジャイロトロン性能評価法の確立
Project/Area Number |
21560351
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
立松 芳典 福井大学, 遠赤外領域開発仕着せ工センター, 准教授 (50261756)
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Keywords | ジャイロトロン / 赤外線画像 / 電磁界モード / モード変換 / 電子入射位置 / モード同定 |
Research Abstract |
赤外線カメラを用いることにより、ミリ波・サブミリ波帯の高電力発振管であるジャイロトロンの性能評価法を確立することが目的であった。 平成22年度に実施した事項と得られた成果は以下のようである。 1 赤外線カメラによる放射ビーム測定 遠赤外領域開発研究センターで開発中のジャイロトロンFU CW VIIAからの放射ビームを赤外線カメラを用いて測定した結果、真空窓では発振モードであるTE02成分が支配的であったが、真空窓につけた導波管出口ではモード変換が起きTE22成分が支配的であることがわかった。そこでTE22モードに対応するアンテナを製作し、アンテナからの放射ビームを測定し、アンテナにより断面が丸いビームに変換されていることを確認した。 2 赤外線カメラによる電子入射位置の決定 横出力タイプのジャイロトロンFU CW Iに対し、電子銃付近の磁場強度を変えると、ある磁場強度を境に、窓からの出力が急激に落ちることを観測した。この現象は共振器で発振する電磁波モードの回転方向が逆転したことによる。この回転方向の遷移が起きる電子入射位置は理論的に決まるので、直接には観測できない電子入射位置を決定できた。 3 赤外線カメラによる発振モードの同定 モード変換器を内部に有するジャイロトロンFU CW Iにおいて、主磁場強度を変化させるといろいろな共振器モードの電磁波が発振する。モードが異なると、窓から放射されるビームの出射角度が異なる。モード変換器の特性から、この角度とモード間の関係を見出した。この関係を用いることで、多くのモードの同定を行うことに成功した。
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