2010 Fiscal Year Annual Research Report
第4世代移動通信システム対応超小型非可逆伝送素子の研究
Project/Area Number |
21560355
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山本 節夫 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30182629)
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Keywords | アイソレータ / 非可逆伝送素子 / 非可逆回転素子 / 小型 / 移動通信システム |
Research Abstract |
【研究の目的】 (1)新提案のアイソレータを試作しての性能実証、(2)次世代にあたる第4世代移動通信システムの規格に対応したアイソレータの提案、 (3)新提案のアイソレータの設計指針の確立、を目的とする。 平成22年度には以下の研究成果を得た。 ◆マイクロストリップYジャンクションの下面(接地面)側に突出部を持つタイプ、すなわちボトムマウント型アイソレータ(素子サイズは、1.4mm×1.4mm×0.4mm)については、2GHz帯で、挿入損失0.41dB、アイソレーション30.1dBという実用的な特性を得た(シミュレーション)。 ◆ボトムマウント型アイソレータについて、動作周波数2GHz帯において、挿入損失0.9dB、アイソレーション11dBという明瞭な非可逆伝送特性が確認された(試作)。 ◆マイクロストリップYジャンクションの上面(中心導体)側に突出部を持つタイプ、すなわちトップマウント型アイソレータ(素子サイズは、1.4mmφ×0.4mm)について、2GHz付近に挿入損失0.27dB,アイソレーション8.2dBの明瞭な非可逆的伝送特性を得た(シミュレーション)。 ◆ボトムマウント型アイソレータの場合、バイアス磁場の強度を100から1600Oeまで変えることで、1.5dB以下の挿入損失と10dB以上のアイソレーションを維持しつつ、動作周波数を450MHzから4.9GHzまで変えることができることが明らかになった。なおここでは、アイソレータの素子サイズおよび各部寸法は一切変更することなく、バンドごとでの最適化チューニングは行なっていない。 ◆提案アイソレータのマルチバンド化実現のため、バイアス磁場可変機構を2種類考案した。現在、特許出願を目指して学内手続きを進めている(知的財産創作届を提出し、平成23年4月6日に受理された)。そのうちの一つは、永久磁石の作る磁場と電磁石の磁場を重畳させる方法であり、もう一つは磁気回路を変える方法である。特に、後者についてはバイアス磁場の可変範囲が100~1200Oeと広い(1桁以上)のが特徴である。
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Research Products
(3 results)