2009 Fiscal Year Annual Research Report
次世代情報通信機器用高速応答スイッチング電源の開発
Project/Area Number |
21560357
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
鍋島 隆 Oita University, 工学部, 准教授 (00117201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 輝被 大分大学, 工学部, 准教授 (10187213)
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Keywords | マルチフェーズ / 電流バランス / 電力変換効率 / 高速応答 / ヒステリシス制御 / スイッチング周波数 / DC-DCコンバータ |
Research Abstract |
当該年度はマルチフェーズDC-DCコンバータの電流バランスに関する検討と,高速応答の特長を有するヒステリシスPWM制御の固定周波数化および耐ノイズ性の向上化について研究を行った。 1. 電力変換回路に関して: マルチフェーズコンバータにおいて,各フェーズの電流バランスをとるための電流検出回路およびバランス制御回路を不要とする回路方式について詳細な解析と実験を行い,無制御で自動的にバランスするメカニズムを明らかにし,更に従来方式に比べてより高い電力変換効率が得られることを解析と実験により示した。また,制御性においては時比率の制御範囲に制限ができることを明らかにし,実用化の面で設計の指針を与えた。 2. ヒステリシス制御に関して: (1) スイッチング電源においてヒステリシスPWM制御を行う場合,通常は自励形の動作となるためスイッチング周波数は入出力電圧や回路パラメータにより変動する。特に一定の周波数でスイッチング動作が必要とされる応用には向いていない。そこで第1段階として,外部からのクロックパルスに同期する簡単な回路方式を提案し,その動作を実験的に検証することにより有用性を明らかにした。 (2) ヒステリシス制御は本来ロバストでしかも微分制御特性をもつ高速応答に適した制御手法であるが,高速応答性と高スイッチング周波数は相反するという問題がある。これは電力変換回路で発生するスイッチングノイズに起因しているため,実装等の影響も大きく関与してくる。そこでヒステリシスを生成する回路に小さなキャパシタを用いてスイッチのターン・オン,ターン・オフ直後のヒステリシス幅を過渡的に大きくとる回路方式を提案した。これにより,従来の2倍以上のスイッチング周波数で安定動作を可能とするヒステリシスPWM制御が可能となった。
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