2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560365
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
高梨 良文 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (30318224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 博久 東京理科大学, 基礎工学部, 助教 (30453830)
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Keywords | 電子デバイス / 光検出デバイス / III-V化合物半導体 / 超高速応答 / Auger再結合 |
Research Abstract |
光技術とミリ波技術を融合すれば、超高速で大容量のネットワークを構築することができる。これを支える「光・ミリ波融合デバイス」として、狭バンドギャップのIn(Ga)Asをチャネルとする歪2次元電子ガストランジスタ(PHEMT)および歪MSMフォトダイオード(PMSM)を取り上げた。In(Ga)Asは高移動度でありかつAuger再結合時間が短いことから、これらデバイスは超高速のトランジスタと光検出器として動作することが期待される。 昨年度の予備的実験に続き、今年度はナノテクノロジーを駆使してゲート長0.1μmのIn(Ga)As-PHEMTおよびPMSMを試作し、電気的な高周波特性および極短パルス光照射時の光応答特性を実験的・理論的に解析した。 以下に今年度の成果をまとめる。 1. HEMTの高周波特性:InGaAs-PHEMTにおいて真性遮断周波数(fT)~155GHzを得た。一方で、高特性が期待されるInAs-PHEMTではfT~76GHzに留まった。これは、InAsを臨界膜厚以内で成長したが、実際には3次元成長し結晶性が低下したことが原因と考えられ、結晶の高品質化を今後の課題とする。 2. PMSMの光応答特性:InGaAs-PMSMにおいて立ち下がり時間~18psecの超高速光応答を示した、また、15nmと薄い光吸収層にも拘わらず、Responsivity(R)は2を超えた。通常のPDでは光吸収層が1μm程度であり、かつR<1である。この高光利得の理由として、狭ギャップの歪InGaAsにおいてAvalanche増倍機構に起因した光増幅過程が発生したことが考えられる。この現象について現在実験的・理論的検証を進めている。 今年度の成果により、懸案であった光利得の問題が解決されたので、In(Ga)AsをチャネルとするHEMTおよびMSMを用いた100Gbitを超える超高速光.電子回路の実現に向けて研究を進めて行く。
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