2009 Fiscal Year Annual Research Report
暗号処理向け組み込みLSIとそのテスト設計環境の構築
Project/Area Number |
21560370
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
柳澤 政生 Waseda University, 理工学術院, 教授 (30170781)
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Keywords | LSI設計 / テスト容易化設計 / スキャンチェイン / 暗号処理LSI / スキャンベース攻撃 / SD-SFF |
Research Abstract |
スキャンテストは、実装の容易さとテスト効率の高さから広く使われているテスト容易化設計技術である反面、LSIの内部状態をスキャンデータとして取得し、直接観測できるため暗号処理回路に対する脆弱性が指摘されている。そのため、暗号処理組込みLSIに対する検証効率の向上を目的とした安全なスキャンテスト技術の研究が必須である。平成21年度は、スキャンチェインを用いた暗号処理LSIへの攻撃方法についての調査・分析を行い、各種暗号方式対する攻撃手法を提案するとともに、安全にスキャンテストを行うためにSF-SFF(State-Dependent Scan FF)を用いた対策手法に関して研究した。 (1) 共通鍵暗号方式AES、公開鍵暗号方式の一種である楕円曲線暗号に対するスキャンチェインを用いた鍵解読手法を提案した。前者における提案手法は、従来手法では不可能であった暗号処理回路以外の回路がスキャンチェインに含まれている場合でも鍵を解説することができ、さらに解析に必要な入力数を約42%に削減することに成功した。後者において、163ビットの鍵長を持つ楕円曲線暗号処理回路の秘密鍵を平均29個の入力から取得したスキャンデータを解析するだけで実現できることを示した。公開鍵暗号方式に対するスキャンチェインを利用した鍵解読攻撃は世界初である。 (2)(1)の結果から、提案したスキャンチェインを用いた鍵解読手法を効率的に防ぐことを目的としたSD-SFFの研究・実装、およびシミュレーションによるSD-SFFの評価を行った。スキャンチェインを構成するレジスタの間にSD-SFFを挿入することで、スキャンデータを動的に反転・非反転させ、スキャンデータを解析されることを防ぐことができる。従来の防御手法と異なり、攻撃手法を効率的に防ぐことができるため、従来手法よりも面積を縮小できることを確認した。
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Research Products
(3 results)