2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560374
|
Research Institution | Niigata Institute of Technology |
Principal Investigator |
金井 靖 新潟工科大学, 工学部, 教授 (00251786)
|
Keywords | 記憶・記録 / 垂直磁気記録 / ライトヘッド / 数値解析 / マイクロマグネティクス / 並列計算 / 次世代磁気記録方式 |
Research Abstract |
1.計算速度の向上およびシミュレーション手法の妥当性の検証 計算アルゴリズムの改良により5倍の計算速度向上を目指したが,新規ハードウェアの導入による50%程度の向上に留まった.磁気記録の諸現象はサブナノ秒とサブナノメートルの領域で起こるため,実験によるソフトウェアの検証は不可能である.平成23年度は複数のソフトウェアによる検証を2件(いずれも国際会議)報告した:ソフトウェアによる差異はモデルによる差異よりもはるかに小さい.動的に形成される磁区はモデルを分割するセルの大きさが違っても大きな差異が見られない.記録周波数が1.3GHz以下ではソフトウェアによる差異が小さいが,2GHzを超えると差異が顕著になり,今後の課題である. 2.次世代磁気記録方式のための記録ヘッドと高速記録の可能性 5GHz以上の高速記録の検討を中心に行った.秋田県高度技術研究所にて提案された平面型記録ヘッドは強い記録磁界を発生するが隣接トラックへの漏れ磁界が大きいと考えられてきた.申請者はマイクロマグネティック解析により強い記録磁界を発生するとともに隣接トラックへの漏れ磁界を抑えることが可能であることを示した.さらに本ヘッドは高周波特性に優れることを指摘した.ただし,記録周波数の上限は3GHz程度と予測され,5GHz以上は困難であるとの指針を示した. 研究報告に記載した他に,次世代磁気記録方式に関し,国内外のグループと多くの成果を報告した.申請者はライトヘッドに関する提案を行い,2次元記録方式およびシングル記録方式(愛媛大学,シンガポールDSI),熱アシスト磁気記録方式(東北大学),高周波アシスト記録方式(工学院大学,九州大学,慶応大学),ビットパターン媒体(東北大学,英国マンチェスター大学,ザンビア国カッパーベルト大学,米国HGST社)およびこれらの記録方式の組み合わせについて報告することができた.
|