2009 Fiscal Year Annual Research Report
窒化炭素薄膜を用いた低コスト白色発光素子に関する研究
Project/Area Number |
21560379
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Research Institution | Tsuyama National College of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 國雄 Tsuyama National College of Technology, 電気電子工学科, 特任教授 (60353306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
財部 健一 岡山理科大学, 理学部, 教授 (50122388)
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Keywords | デバイス設計 / 結晶成長 / 発光素子 / 白色LED / 窒化炭素 |
Research Abstract |
本研究は窒化炭素薄膜のPN接合を実現し、それにより演色性の高い白色発光ダイオードを作って、将来の低コスト白色照明の基礎技術を確立することである。そのために平成21年度は次にのべる3項目の実現を目指した。(1)薄膜成長装置による窒化炭素成長膜中への水素添加量の制御、(2)高演色性を有する白色発光素子実現のための成長条件検討、(3)シリコン基板上に窒化炭素薄膜単結晶成長条件の基礎検討。以下、各項目の進捗結果を述べる。 (1)成長方法としてはECRプラズマCVD法およびRFスパッタ法の2種類を検討した。どちらも主ガスとしてアルゴン、窒素およびメタンガスを用いた。水素添加量はメタンガス量により制御した。ECRプラズマCVD法ではメタンガスの増加とともにフォトルミ発光ピーク波長は514nmから574nmへと長波長側へシフトした。一方RFスパッタ法ではメタンガスの増減にかかわらずピーク波長は650nmであり、出力の変化のみが見られた。 (2)上記の結果より青色から緑色の発光が強いプラズマCVD膜と、赤色の強いスパッタ膜の2層成長により、青色から赤色に渡り均一な発光出力が得られる可能性があることを見出し、シリコン基板上に先ずスパッタ法で薄膜成長を行い、その上にプラズマCVD法で膜の成長を行って熱処理を施し、フォトルミ測定を行った。その結果演色評価指数Raは、単一成長膜では40程度であったのが、2層成長によりRaは82にまで向上できた(国際論文投稿中)。 (3)p型窒化炭素単結晶成長に必要なドーパントとしてホウ素を考えており先ずSi(100)面を基板としてスパッタ法で窒化ホウ素膜の成長条件を検討中である。
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