2010 Fiscal Year Annual Research Report
人体通信用小形アンテナ設計のための超高精度電磁界シミュレータの開発
Project/Area Number |
21560385
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
宇野 亨 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80176718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 卓司 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 講師 (20361743)
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Keywords | 人体通信 / 電磁界 / 電磁環境 / シミュレータ / アンテナ / FDTD法 / 境界条件 |
Research Abstract |
人体通信にいられるアンテナには小形・軽量性が求められる一方で,安全性の観点からその設計には高精度なシミュレーションによる細心の注意が求められる.また,人体の影響のためにアンテナ特性が激しく変化するために,人体近傍アンテナの設計にはアンテナと人体とを一体にして設計しなければならない. 本研究は人体通信用アンテナ設計のための高精度電磁界シミュレーション法について研究するものである.電磁界は一般に導体や誘電体の表面近傍で激しく振動するため,電磁界を精度よく数値計算するためには,表面近傍の取り扱いが非常に重要である.一方,人体の数値モデルは直方体メッシュ内の電気定数として与えられているため,FDTD法が適している.本研究では,表面付近電磁界の空間分布が準静電磁界のそれとよく似ていることに注目して,FDTD法の前処理として,簡単なモデルに対して解析的あるいはモーメント法によって計算された電磁界の空間分布を,FDTD法の計算グリッド上でスケール変換して組み込むことにより高精度化を図った.その結果,ループアンテナやメアンダアンテナに対しても有効であることが分かった.誘電体に対しても同様の方法が有効であると考えられるが,誘電体内部の電磁界や境界条件等が複雑になるため,本年度内では確証が得られなかった.引き続き検討している.また,電磁波暴露用アンテナ,大地上の散乱問題に対する検討,FDTD法における吸収境界についても新たな検討を加えた.
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