2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560390
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
石井 望 Niigata University, 自然科学系, 准教授 (50232236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 道夫 新潟大学, 自然科学系, 教授 (50239357)
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Keywords | 利得校正 / 高損失液剤 / 近傍界利得 / 誘電率測定 / 液剤中アンテナ |
Research Abstract |
5.2GHz帯において組織等価液剤中で動作する基準アンテナを実現し、その基準アンテナを利用した組織等価液剤中におけるSAR(比吸収率)測定用プローブ校正法を確立することが本研究課題の目的である。2.45GHz帯における組織等価液剤中に比べて、液剤中における減衰が非常に大きくなるため、極近傍における測定により基準アンテナの利得を決定しなければならないこと、液剤の比誘電率および波長の関係でアンテナ製作が難しくなることが問題として挙げられる。 平成22年度は、購入したマイクロ波増幅器により測定系ダイナミックレンジの拡大をった。続いて、基準アンテナの候補として、バラン付きサンドウィッチダイポールアンテナについて検討した。2.45GHz帯での試作を通して、液剤中においてショート端からλ/4で完全なオープンを実現するが難しいことがねかった。このため、バラン付きサンドウィッチダイポールアンテナは実現困難と判断せざるを得なかった。 この代替として、構造的に単純なアンテナ素子として、導波管開口を検討した。液剤タンク槽の下面から、液漏れ防止を行った上で、導波管を挿入する構造とし、導波管開口前面における放射電界強度を測定した。測定された放射電界強度を基準アンテナとして等方点波源を仮定するフリスの伝達公式に当てはめたところ、一致せず、むしろ、SARプローブ校正法の標準的な方法である導波管を用いた方法(以下、導波管法という)における導波管内における電界分布にほぼ一致することがわかった。そこで、液剤中における導波管開口からの電界を解析的に計算したところ、導波管法とほぼ同じ電界分布となることが判明した。すなわち、導波管法と同等のSARプローブの校正が、液剤タンク槽に設けた導波管開口を基準アンテナと採用することにより実現可能であることが明らかになった。
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