2009 Fiscal Year Annual Research Report
次世代ネットワークにおける新しい通信品質評価法とその応用
Project/Area Number |
21560391
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
中川 健治 Nagaoka University of Technology, 工学部, 准教授 (80242452)
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Keywords | 次世代ネットワーク / QoS評価 / 待ち行列理論 / 遅延上界 / 高速シミュレーション法 |
Research Abstract |
研究実績の概要を申請時の項目毎に示す。 (1) DiffServ網におけるend-to-endの確定的遅延上界 入力パケットがエッジルータにおいてトークンバケット等のアルゴリズムで確定的にパケットの整形が行われていると仮定して,従来の研究では考慮することができなかった入力のレートおよび出力のバースト性の弱まりを考慮した精度の良い上界を開発した。 (2) パケットサンプリングによる実効帯域の推定 高速ネットワークでは大量のパケットが送信されるので,デバイス速度の限界から全てのパケットの情報を取得することは困難である。パケットサンプリングを行って少ないデータから実効帯域を推定する方法を検討した。 (3) モデル化によらない高速シミュレーション法 ルーターのパケットスケジューリングで,公平性を達成するアルゴリズムとしてもっとも優れた特性をもつDRR(Deficit Rounf Robin)のパケット廃棄率推定に対してIS法を適用した。モデルヒによらない方法を検討する前段階として,DRRを完全にはモデル化せずに分散最小のパラメータを決定する方法を討した。その結果,理論的に分散最小のパラメータを決定することができた。そのパラメータを使ってシミュレーションを実行し,従来のモンテカルロシミュレーションと比較して推定値を高速に得ることができた。 (4) 無線アドホックネットワークの特性評価への応用 無線アドホックネットワークにおけるスループットの公平性の向上やリンク利用率の向上に関する研究を進めた。本研究では,あるノートが他ノードからのパケットを転送する場合,現在のMAC層のアルゴリズムでは,どうしても他ノードのスループットが自ノードのスループットより低くなってしまうという問題を,我々が既に提案したPCRQをさらに改良して,新たなクロスレイヤ方式を提案した。提案方式の特性を評価して,従来方式よりも優れた特性が得られることを確認した。
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