2011 Fiscal Year Annual Research Report
DNA系列が持つ制約の特徴量の計算とその符号構成への応用
Project/Area Number |
21560394
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
鎌部 浩 岐阜大学, 工学部, 教授 (80169614)
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Keywords | DNA計算 / 通信路容量 / 計算論的言語理論 / 情報理論 / 符号理論 / 入力制約のある通信路 / 記号力学系 |
Research Abstract |
DNA系列を計算に使用するためには、計算の各ステップが適切に進行するように、使用する系列に制限を課す必要がある。この制約が強すぎると、DNA計算のために利用可能な系列の数が少なくなってしまい、DNA計算の特徴である超並列計算が達成されなくなってしまう。そこで、DNA計算のための制約の豊富さを示す量を計算することが必要になる。これは情報理論で現れる、入力制約を持つ通信路の誤りなし通信路容量に対応する。計算機科学的な方法によってこの問題に取り組んだ論文があったが、本研究では情報理論的ないし記号力学系的な手法を援用して、この問題に取り組みこれまでと同様の結果と、さらに理論を拡張することができることを示した。より具体的には、以下の通りである。DNA系列はG,C,A,Tの四つの記号から成る系列とみなすことができる。その中に含まれるGとCの割合はDNA計算のための化学反応を生じさせるための温度に関係していると言われている。そこでGとCを一定の割合だけ含む系列を生成することが重要な問題となる。本研究では、この符号構成の問題に、入力制約を持つ通信路のための符号構成法が役立つことを示した。二つ目の主結果は、データの符号化のための制約の容量に関するものである。DNA計算においては、データは長いDNA系列に符号化される。DNAの反応がどのような組み合わせで生じたとしても、いつでもデータが適切に読み取れるようにすることが重要である。このように、DNA系列が「字句解析」できるようにするために、いくつかの制約が考えられている。そのうちのoutfix-free制約とintercode制約に対してその通信路容量を記号力学系的な方法で計算した。
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