2010 Fiscal Year Annual Research Report
時空間符号化MIMO無線通信方式の高度化による超高信頼・安全・安心な移動無線設計
Project/Area Number |
21560396
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩波 保則 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (40144191)
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Keywords | 変復調 / 時空間符号化 / MIMO / 無線通信 / 高信頼 / LDPC符号化 / 符号間干渉 / 繰り返し復号 |
Research Abstract |
研究課題名「時空間符号化MIMO無線通信方式の高度化による超高信頼・安全・安心な移動無線設計」に関し、平成22年度の主な研究実績項目を以下に示す。 「周波数選択性MIMO通信路に於けるチャネル測定と受信BER値の推定」に関する研究の実施 無線通信においてリアルタイムで高品質な伝送を要求される場面が多々ある。たとえば、自動車の衝突防止システムでは一瞬の情報伝送の誤りでさえ人命にかかわってくるため、情報伝送の誤りは起きてはならない。受信機側で現在受信しているパケットの受信BERを推定することで、誤り確率の高いパケットを破棄して情報伝送の誤りを回避することなど考えられる。本研究では、パイロット信号の送信により無線通信路特性と受信雑音電力の測定を行い、これらを元に受信BER値の推定を試みる。無線通信方式として、IEEE802.11pなどでも採用されているOFDM方式と、マルチパス通信路における周波数ダイバーシチ効果が期待できるSingle Carrier-Frequency Domain Equalization(SC-FDE)方式を検討した。 「周波数選択性MIMO通信路に於けるM-FSK伝送に対するISIキャンセラーとMLDを用いた時間領域信号分離検出方式」に関する研究の実施 FSK(Frequency Shift Keying)信号は定包絡線性を有し、電力効率の高い非線形増幅器の使用に有利である。しかし、FSK方式は非線形変調方式であるため、従来、周波数選択性通信路に対し、受信側で等化処理を行うことが難しかった。また、無線通信の高データ速度・高信頼度化に向けMIMO方式は必須となりつつあるが、MIMO方式の変復調は基本的に線形行列演算に基づくため、非線形FSK変調方式への適用は従来余り検討されて来なかった。我々は、まずFSK信号の復調前における線形等化方式につき検討し、Cyclic Prefix(CP)を用いるSC-FDE方式がFSK信号の等化方式としても利用出来ることを示した。その上で、さらに良いBER特性が期待できる方式として、CPの替わりにZero Padding(ZP)を用いた最尤判定法(Maximum Likelihood Detection;MLD)の適用についても検討を行い、BER特性の大幅な改善を行った。
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