2010 Fiscal Year Annual Research Report
高品質サービス保証型オーバレイネットワークの設計・制御・構成法
Project/Area Number |
21560398
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
笠原 正治 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (20263139)
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Keywords | オーバレイ綱 / ストリーミング / フレーム品質 / 連続ブロックロス分布 / FEC / 待ち行列理論 / 性能解析 / フレームバースト誤り |
Research Abstract |
本年度はオーバレイ網上の実時間通信アプリケーションとしてストリーミングサービスに着目し,前方誤り訂正符号(FEC)によるフレーム品質改善効果について基礎的検討を行った.FECでは,送信端末はデータを送信する際に,データパケットから冗長パケットを生成し,元のパケットと同時にネットワークに送出する.受信端末でロスパケット数が許容範囲内であれば,元データを復元することができる.FECで旨はロスパケットを再送しないため,遅延に敏感な実時間アプリケーションに対して有効な手法である.しかし,過剰な冗長パケットはネットワークに負荷をかけることになるため,ネットワークの状況や所望の通信品質に応じた適切な冗長度を設定することが極めて重要である.従来の研究ではフレーム廃棄率に対するFECの効果の検討が中心であり,フレームが連続的に廃棄される状況でFECがどの程度効果があるのかという点については未だ十分な検討がなされていなかった. そこで本研究では,ボトルネックルータで発生するバースト的なフレームロス現象について理論的な検討を行った.具体的にはボトルネックルータを二種類の到着過程を持つ単一サーバ待ち行列GI+M/M/1/Kでモデル化し,ブロックが連続してロスする連続ブロックロス長分布を導出した.性能評価量として連続ブロックロス長の平均と分散を考え,ボトルネックルータのバッファサイズ,FEC冗長度,バックグラウンドトラヒックの負荷がこれらの量に与える影響について評価を行った.その結果,フレームのバーストロスはFECにより大幅に低減されること,またFECによるバーストロス低減効果はルータのバッファを増強するよりも大きいことが判明した.
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Research Products
(5 results)