2011 Fiscal Year Annual Research Report
高品質サービス保証型オーバレイネットワークの設計・制御・構成法
Project/Area Number |
21560398
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
笠原 正治 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (20263139)
|
Keywords | オーバレイ網 / 自律分散トラヒック制御 / 通信品質 / 待ち行列理論 / ネットワーク状態推定 / P2P網 / 負荷分散 / 性能解析 |
Research Abstract |
今年度はまずオーバレイネットワーク上の実時間通信サービスについて,実時間データグラムの棄却率や遅延揺らぎを低減し,将来的には高精細動画像ストリーミングをサポートできるような,オーバレイレベルのトラヒック制御法について,特にP2Pライブストリーミングシステムに着目して研究を行った.P2Pライブストリーミングはオーバレイトポロジーに依存して配信の安定性やスケーラビリティが変化する.ここではストリーミングを安定させ,かつスケーラビリティを向上させる動的オーバレイトポロジー再構築法を検討した.具体的には,接続ピアからのデータ受信量を定期的に測定し,動画が安定しているかどうかを判断する.その上で接続ピアに対し,相手の遅延と帯域に基づく評価値の計算を行い,評価値を基に不適当な接続ピアを確率的に切断する.提案メカニズムでは,配信が不安定とピアが判断すると遅延を重視して接続相手を変更し,安定と判断すると帯域を重視して接続相手を変更する.結果的に,配信が不安定なときは配信の安定化を進め,安定しているときはスケーラビリティを向上させることが期待できる.シミュレーション実験により,スケーラビリティの点でCoolstreamingより優位性があることが判明した. 次にP2P型オーバレイネットワークにおけるSkypeやストリーミング等の実時間サービスに着目し,ノードの参加離脱を考慮したエンドユーザレベルの通信品質評価モデルの構築とその妥当性について検討を行った.ここでは特にCoolstreamingにおけるフレーム再構成用バッファ同期機構に対し,フレームの再構成間隔を連続時間マルコフ連鎖による理論解析を行い,ノードの参加離脱の頻度と再構成間隔の関係を定量的に明らかにした.
|
Research Products
(4 results)