2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560403
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
市坪 信一 Kyushu Institute of Technology, 大学院・工学研究院, 准教授 (30457452)
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Keywords | 電波伝搬 / 移動通信 / 移動伝搬 / 伝搬損失 / 伝搬遅延 / スケールモデル / 多重波伝搬 |
Research Abstract |
本研究の目的は無線通信の回線設計で必要となる電波の伝搬特性を解明する研究手法としてスケールモデルを用いる方法を確立することである。この方法が確立できると世界中の多様な街を対象にした国際的な伝搬推定モデルを構築できる可能性がある。携帯電話に代表される移動通信環境を対象にして3ヵ年の計画でスケールモデルでの伝搬特性の再現性を検証している。平成21年度の成果は次のとおりである。 1. スケールモデルの作製:北九州市の市有地を借用して、10m四方の場所に1/100都市環境のスケールモデルを作製した。測定範囲を広げるために従来の倍の大きさに拡張した。 2. 測定系の作製:実験を行う10GHzの測定系を作製した。受信レベルの瞬時変動まで測定できるように、送信部では1GHzの基準信号を10GHzにアップコンバートして、受信側で受信信号を1GHzにダウンコンバートして電波測定器で受信レベルを測定する測定系とした。また、周波数による違いを測定するため2GHzの測定系も作製した。 3. 伝搬損失の再現性:基地局が周辺ビル高より高く、移動局はビルの谷間にあるという携帯電話の環境で伝搬損失の測定を行い、距離特性、基地局高特性、周波数特性を測定してスケールモデルでの伝搬特性を得た。この結果を従来から用いられてきた伝搬推定式と比較して同程度の伝搬特性が得られることを確認した。これでスケールモデルの可能性を確認できた。 4. 到来波の角度広がりの再現性:無線通信の回線設計には伝搬損失特性だけではなく、多重波伝搬特性も必要である。多重波伝搬特性の1つである基地局到来波の角度広がりの測定を2GHzの周波数で行った。実環境との比較検討は平成22年度に実施予定である。
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Research Products
(5 results)