2009 Fiscal Year Annual Research Report
ミリ波Vehicle Area Network(VAN)伝送技術の研究
Project/Area Number |
21560410
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
沢田 浩和 Tohoku University, 電気通信研究所, 助教 (10360067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 修三 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (20500218)
中瀬 博之 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (60312675)
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Keywords | ミリ波VAN / 60GHz / チャネルモデル |
Research Abstract |
自動車内ミリ波チャネルモデルの研究に関しては、実際の自動車を用いた伝搬測定環境を整備し、60GHz帯において基本的な伝搬特性を取得した。実験結果より、送信アンテナにオムニアンテナ、受信アンテナに半値角15度の指向性アンテナを使用した場合に、自動車内の通信可能なパスは、直接波を含めて2~3つ程度存在し、その遅延スプレッドは1ns程度と非常に小さいことを明らかにした。これにより自動車内のミリ波通信では、ビームフォーミング機能が受信アンテナに備わっていれば、通信の変調方式は複雑なOFDM等は必要なくシングルキャリア方式で十分であり、受信機の構成も等価器なしの簡易なレイク受信機で実現可能であることを示した。また測定したデータを用いて統計的な解析を行い、自動車内のミリ波伝送方式の検討が可能な統計的チャネルモデルを開発した。開発したチャネルモデルはIEEE JSAC論文誌に投稿し採録された。 ミリ波高速伝送技術の研究については、伝搬測定の結果にもとづいて車内ミリ波通信に適した通信方式の検討を行った。また2009年9月に標準化完了したIEEE802.15.3c(ミリ波WPAN)のチャネルモデルを利用して、基本的なBPSK,QPSK変調方式を検討するためのシミュレーションプログラムの開発を行った。 研究は概ね申請書の計画通りに進捗しており、本年度行った伝搬測定の結果は車内ミリ波通信の実現可能性を示す重要な成果である。
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Research Products
(6 results)