2011 Fiscal Year Annual Research Report
ミリ波Vehicle Area Network(VAN)伝送技術の研究
Project/Area Number |
21560410
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
沢田 浩和 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (10360067)
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Keywords | ミリ波VAN / 60GHz / チャネルモデル |
Research Abstract |
ミリ波Vehicle Area Network(VAN)伝送技術を実現するための当初の目的としていた、ミリ波チャネルモデルの開発および伝送シミュレータの開発と通信方式評価は達成された。 自動車内ミリ波チャネルモデルの研究に関しては、平成22,23年に開発したチャネルモデルの妥当性を検討するため、モデルから生成されたインパルスレスポンスと実測した電力遅延プロファイルデータの平均遅延スプレッドを比較し、1ns以内の誤差範囲で良く一致していることを確認した。 ミリ波高速伝送技術の研究については、平成23年度に開発した伝送シミュレータを用いて、AWGN(Additive White Gaussian Noise)環境と開発したチャネルモデルで、BPSK(Binary Phase Shift Keying)およびQPSK(Quaternary PSK)変調の場合に、FEC(Forward Error Correction)を適用した時のBER(Bit Error Rate)を計算した。その結果、1Gbpsの通信を行うための所要E_b/N_oは、AWGN環境に比べて自動車内環境で数dB以内の増加で収まることが分かった。これは、遅延プロファイル実測値の遅延スプレッドが1ns程度と非常に小さいことからも推定されていた結果と一致しており、自動車内ミリ波通信は簡易なシングルキャリア方式と誤り訂正符号により実現可能であると言える。 その他に提案したミリ波Vehicle Area Network(VAN)伝送技術を実現するには、ビームフォーミングアンテナが必要となるため、他の研究プロジェクトで開発された60GHz帯で実現可能なフェーズドアレイアンテナについて、基本特性の取得と実現可能な利得やビーム走査角についての調査を行った。また本システムを補完するために、自動車内に信頼性の高い60GHz帯の通信路(ワイヤレスハーネス)を構成する技術についても検討を行った。
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Research Products
(12 results)