2010 Fiscal Year Annual Research Report
2次元方向適応形フィルタバンクの実現と画像符号化への応用
Project/Area Number |
21560412
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
池原 雅章 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00212796)
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Keywords | 画像符号化 / フィルタバン / 多次元信号処理 |
Research Abstract |
平成22年度は昨年度の結果を基に、2次元リフティングウエーブレット変換とダウンサンプリング行列の変換による方向適応形フィルタバンクを実現した。 JPEG2000で用いられている9/7ウエーブレット変換は、非可逆符号化において優れた変換であることが知られている。方向検出用のフィルタとしてこのウエーブレット変換を利用することが望ましいが、通常はある方向にそって1次元ウエーブレット変換し、一方向でダウンサンプリングした後、更に方向検出し、その方向に沿ってウエーブレット変換処理を行うという非常に煩雑な操作を要する。そこで9/7ウエーブレット変換を縦横に処理する可分形構造を2次元リフティング構造に変換すると、画像信号を一度に処理することができる。これは垂直水平方向の処理に相当するが、これを画像の方向に沿って処理するには、処理方向によってサンプリング行列を変化させれば十分であるとことを示した。この際、フィルタバンクの前段の遅延器はサンプリング行列の余因子によって置き換える。サンプリング行列を変えることによって、各パスの走査方向を変化させ、その後は可分形のリフティング構造によって方向処理用のフィルタバンクが容易に実現できる。 このように方向検出用のフィルタバンクとして昨年度から3つの方法を考えてきた。方法によって一長一短あり、実際にフィルタバンクを設計し画像の符号化を行い、計算量やメモリー使用量等のハードウエア的比較と、符号化性能を厳密に比較し、応用に応じた変換方法を決定した。
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Research Products
(4 results)