2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560413
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
蓑原 隆 拓殖大学, 工学部, 教授 (80239334)
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Keywords | プライバシー / アドレス / unlinkability / Mobile IP / ロケーションプライバシー |
Research Abstract |
インターネットの通信当事者が特定のアドレスを使用し続けた場合,第三者は容易に特定の個人の通信を取り出すことができ,その通信状況を知ることができるようになる.さらに,通信アドレスを特定されることは,正当な通信対象以外からのアクセスを受ける可能性の増大に繋がる.よって,インターネット通信アドレスに関するプライバシーは保護されなければならない.平成22年度の研究として,前年度に開発したMobile IPv6のホームエージェントの多重化システムの効率化を行った.Mobile IPでは,固定的なアドレスを管理するホームエージェントにモバイルノードが移動先を通知するバインディングアップデートを傍受することで,移動履歴の追跡が可能になってしまう危険性が存在する.この問題に対し本研究では複数の固定アドレスを用い,バインディングアップデートの通知先を複数のホームエージェントから選択できるようにするシステムを提案している.前年度のプロトタイプシステムでは,バインディングアップデートを受信したホームエージェントが他の全てのエージェントに移動先を通知していたため,ホームエージェントを増加したときの通信コストが増大する.そこで,実際に移動端末に対する通信要求が来た時点で移動先を探索する方法を実装し,ホームエージェント増加時の通信コスト増加が抑えられることを確認した.本研究で提案しているプライバシー保護の方法では,通信を中継するノード数を増やせば増やすほど,第三者によるプライバシー侵害の危険性が減るが,それに伴い設置コストが増加してしまう.平成22年度の研究としてプライバシー侵害の程度を数量的に評価するためのモデルの検討を行った.具体的な評価のためにはパラメータ値を決定する必要があるが,プロトタイプシステムから得られたデータをもとにしてパラメータ値を定めていく作業が残っている.
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Research Products
(1 results)