2011 Fiscal Year Annual Research Report
全域通過・多次元・可変非整数遅延フィルタの安定性保証と高精度画像補間
Project/Area Number |
21560415
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
伊藤 登 東邦大学, 理学部, 教授 (00237041)
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Keywords | 可変非整数遅延 / 可変フィルタ / 画像補間 / 2次錐計画法 |
Research Abstract |
多次元全域通過・可変非整数遅延(VFD)フィルタを画像の縦と横方向に別々に適用すれば2次元静止画像の補間が可能となるため、1次元全域通過VFDフィルタの最適設計は多次元VFDフィルタの設計の基礎となる。これまでの研究では、線形計画法(linear programming:LP)に基づくminimax設計法を開発した。平成23年度の研究では、最近特に注目されている2次錐計画法(second-order cone programming:SOCP)という新しい最適化手法を応用し、より精度の高いVFDフィルタのminimax設計法を開発した。 従来のLP法などによって設計されたVFDフィルタは可変周波数応答の最大絶対値誤差を最小化する意味で最適設計に近いが、近似領域の境目のところでは可変非整数遅延(VFD)の誤差が大きい。このようなVFDフィルタを実際の画像補間に応用する場合は画像補間の誤差のピーク値が大きいという問題が生じる。平成23年度の研究では、VFDフィルタのbi-minimax設計法を提案し、可変周波数応答の最大誤差と可変非整数遅延の最大誤差を同時に最小化する新しい設計法を提案した。この設計法を用いれば可変周波数応答の絶対値誤差と可変非整数遅延の絶対値誤差をほぼ同時に平坦化することができ、画像補間の最大誤差を抑えることが可能となる。この設計はそもそも非線形最適化問題であるため、その最適解を求めることは非常に困難である。平成23年度の研究では、この非線形最適化問題を近似的に線形化してから、SOCP法による繰り返し設計法を提案し、設計例を用いてその有効性を実証した。この研究結果はIEEE Trans. CA-I : Regular Papersに投稿し、採録されて2012年の8月号に出版される予定である。
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Research Products
(6 results)