2009 Fiscal Year Annual Research Report
情報保護を目的とした環境適合型透明薄型電波吸収体の開発
Project/Area Number |
21560417
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡野 好伸 Musashi Institute of Technology, 知識工学部, 教授 (10339533)
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Keywords | 情報保護 / 環境適合 / 電波吸収体 |
Research Abstract |
現在社会問題化しつつある無線携帯通信機の使用に関して情報保護や犯罪予防の観点から利用者に安全で適正な使用環境を提供すると共に、近年普及が期待されるRF-ID(無線認証)用タグに対して、誤認証を抑圧し物流効率を向上させる多周波数対応透明薄型電波吸収体の実用化をその研究目的とする。平成21年度においては、一般的な内装材、例えば、アクリルガラス、ポリカーボネート樹脂等の使用を想定した透明薄型多周波数対応電波吸収体の実使用環境を考慮した設計と実験検証の準備を行った。実際のATM等では、利用者の心理的圧迫感や閉塞感を軽減し、安心感を向上するため、またサービス提供者側からは情報保護の確保と保安性の向上のため、透明度が高く、確実な電磁波制御が実現できることを実証する必要性があり、研究計画の早い段階での実験検証が必要である。この点に考慮し、特に構成材料の透明度を向上させながら吸収特性を確保する環境適合材料の選定と強度の確保を主体的に検討した。透明度の改善に関しては、アクリルガラスの表面反射を抑制し、光透過性を劇的に改善する反射防止膜の使用が吸収特性に与える影響を検討した。その結果、構成材料のコストは向上するものの、良好な吸収特性が得られることが確認された。一方、強度を確保しながら吸収特性を向上させる設計は、現行の反射層、金属挿入片層、抵抗膜層の間に空間がある構造が吸収特性の得られる最適構造であり、これを補強材で充填した場合、吸収特性が大幅に劣化する現象が未解決であり、未だ決定的な手法が得られていないので、引き続き平成22年度の周到な検討課題として、重点的な検討を行う。
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