2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560429
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
長篠 博文 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40035655)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芥川 正武 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (90294727)
|
Keywords | システム工学 / 脳波 / 数理モデル / 聴覚 / 耳鳴り / ニューラルネットワーク / 可塑性 |
Research Abstract |
脳活動システムの状態を推定し,また脳活動状態の変化を数理モデルで表現することができれば,脳波の異常や脳活動変化を伴う疾患の診断・治療支援に活用できる。本研究では,脳波(EEG)及び脳活動システムの可塑性に着目した数理モデルの構築を通して,脳活動状態を解析するシステムを開発し,これを特に聴覚系における周期的刺激の想起や耳鳴り音響療法治療過程に適用することを目的として研究を行い,次の成果を得た。 1.多層パーセプトロンの学習によ.る推定をリアルタイムで行うための性能向上を実現するため,システムのソフトウェアにおいてさらに高速化を図るとともに,脳波計測におけるニューラルネットワークや独立成分分析の手法を用いてアーティファクト除去性能を改善した。 2.周期的聴覚刺激(クリック音)を被験者に与えて学習させ,その想起を行わせる実験における加算平均のための同期方法として光刺激を用いる方法を開発し,想起における脳信号源を,ニューラルネットワークを用いて推定した。さらに,刺激が存在する場合と存在しない場合について,被験者に回答させ,正誤それぞれの脳波の特徴を比較する実験や,周期的タッピングに対する非同期刺激の影響の解析を行って,成果を得た。 3.耳鳴り音響療法治療過程における脳聴覚系神経活動変化を再現するために前年度までに改良したできるだけ簡素な数理モデル(神経振動子を用いたモデルと,神経細胞モデルにHodgkin-Huxleyモデルを縮約したものを用いたモデル)の解析を行った。前者においては,雑音入力による振動の抑制について解析し,雑音の種類により振動抑制の特性に差違があることを明らかにした。後者においては細胞間の結合の可塑性についてSTDP (Spike-Time-Dependent Plasticity)仮説とともに出力の恒常性維持のための可塑性を導入したモデル化を試み,一定の成果を得た。
|
Research Products
(12 results)