2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560434
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
松田 瑞史 Muroran Institute of Technology, 大学院・工学研究科, 教授 (20261381)
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Keywords | 超精密計測 / 超伝導材料・素子 / 電子デバイス・機器 / 計測工学 |
Research Abstract |
本研究では、コンパクトでしかも環境磁気雑音中でも動作可能なSQUID磁束計の開発を目的としている。平成21年度には、間接冷却ステージを含む装置筐体の試作を行い、基礎データの取得を通じて、以下の様な知見を得て、ノウハウの蓄積を行った。 ・間接冷却ステージの場合、冷却ステージを液体窒素に浸すことにより熱伝導でSQUIDを間接的に冷却するため、直接冷却型ほど熱収縮によるSQUID破壊に気を使わずに済むなどの利点がある代わりに、完全には液体窒素温度(77K)まで冷却しない可能性がある。試作した装置においても、78~79K程度に留まることがあったが、ステージへの熱伝導を改善することで冷却効率を向上させる一方、デバイス特性を向上させることで、より高温でも安定に動作可能にすることが可能になった。 ・センサデバイス出力のS/N比向上については、SQUIDデバイスを多重接続した新構造のデバイスの試作を進め、その測定データを蓄積し、設計にフィードバックすることで、磁場雑音下でも安定動作する実際的なセンサデバイスとなるよう検討を進めている。 ・実際の生体磁気信号計測・バイオ計測への応用としては、ナノメーターの粒径をもつ磁性微粒子(磁気マーカー)と結合したバイオターゲットがクラスターを形成し、そのクラスターの磁気緩和時間が未結合磁気マーカーの緩和時間よりも数桁長いことを利用した交流帯磁率測定法により、結合磁気マーカー量(結合バイオターゲットの量)に比例した出力を得ることを試みた。またその基礎実験を通して、交流磁場中の磁気マーカーの周波数応答など、多くの知見を得た。最終的な免疫反応検査プロセスとして完成するためには、まだ種々の他技術との融合が必要である。
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Research Products
(7 results)