2009 Fiscal Year Annual Research Report
画像原子磁力計のためのMEMSサブミリセルの作製と評価
Project/Area Number |
21560436
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
大坊 真洋 Iwate University, 工学部, 准教授 (20344616)
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Keywords | 原子磁力計 / MEMS / 磁気センサー / 光ポンピング |
Research Abstract |
アルカリ金属原子に円偏光のレーザー光を吸収させて電子スピンを揃え、外部磁場による電子の歳差運動をレーザーで観察する原理の光ポンピング原子磁力計について、MEMS(マイクロマシン)技術による小型セルアレイの作製方法を開発する。アルカリ金属は反応性が高く、大気中での加工ができない材料であるので、サブミリメートルサイズの多画素アレイを作製するプロセスを構築することは工学的には極めて重要である。本研究では、産業化、低コスト化、普及にむけての基盤技術となる小型セルの作製方法を確立し、小型化と感度のトレードオフ関係を調べ、微弱磁場の画像計測手法を開発することを目的としている。平成21年度は(1)高温金型による型押しガラスセル(容積9×8×9mm3、ミリセル)を作製し、加熱、測温、ポンピング、偏光計測を全て光で行うことができるシステムを構築した。また(2)ミリセルの磁気感度を評価した結果、pT台の磁気感度を有することを確認できた。さらに、(3)MEMS技術によるマイクロメートルサイズのセルを作製するため不可欠なアノーディックボンディング条件を調べた。高電圧を使用して、シリコンとパイレックスガラスを比較的低温で接合できるようになった。そして、(4)ICP-RIE装置による単結晶シリコン基板のエッチング条件を調べ、厚さ500μmの単結晶シリコンウェハーを貫通し、直径800μmの25個のキャビティーを作製できた。このアレイ状のキャビティーのアノーディックボンディングにも成功した。
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