2010 Fiscal Year Annual Research Report
センサネットワークにおける動的位置計測の高精度化と高度利用に関する研究
Project/Area Number |
21560440
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大山 真司 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (00242272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 潤也 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (50323796)
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Keywords | センサネットワーク / 動的位置計測 / 飛行時間計測 / バーニヤ効果 / 時間計測分解能 |
Research Abstract |
無線端末の動的位置計測法の構築に際し,(1)端末間通信時の正確な距離報収集に関する問題と,(2)距離情報収集の非同時問題につき,(1)に関する検討を重点的に実施した.すでに研究初年度で,研究開始当初に計画していた「RF通信時のRSSI情報の大小関係に着目した距離不等式」から「RF飛行時間による絶対距離情報を利用した距離方程式」に基づく方法へと位置計測の基本原理を変更することとし,高精度な電波飛行時間計測の原理について検討を進めてきている.そこで今年度は実際にRF実験装置を構成し,提案する飛行時間計測原理の有効性を確認すると同時に,更なる高精度計測を実現するために計測原理の高度化を試みた.具体的な研究成果は,以下の通りである. 1.RF飛行時間計測原理の実験的検証 初年度に原理的な検討を実施した「バーニヤ効果に基づく高精度時間計測方式」につき,新たにRF送受信装置およびRFミラー装置を設計・製作し,One Way Ranging型の飛行時間計測系を構築した.このRF飛行時間計測系の実現には,特殊な位相関係を満たす異周期の動作クロック信号生成回路も必要であり,このための電子回路設計も併せて実施した.これらの結果,実機での計測精度・分解能等の評価が可能となり,設計どおりの計測性能が達成できることを確認し,提案する計測方式の有効性を実証するに至った. 2.RF飛行時間計測の高精度化に関する検討 送受信処理に異周期のクロック信号を利用し,それらクロックの周期差に相当する時間計測分解能を実現可能なバーニヤ効果に基づく時間計測法の基本原理は変えることなく,必要な計測分解能を実現するためのクロック周期の最適設計論について整理すると同時に,実験を通して有効性の検証を試みた.この結果,時間計測分解能として2クロック間の周期比における単位時間相当が実現可能であることを見い出し,すなわち,より低周波数の動作クロック信号の組み合わせを用いながらも同等以上の時間計測分解能を達成できることを明らかにした.
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