2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560442
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
岡崎 慎司 Yokohama National University, 工学研究院, 准教授 (50293171)
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Keywords | 計測工学 / 先端機能デバイス / 広域モニタリング技術 / 水素センサ / 酸素センサ / エバネッセント波吸収 / 光ファイバ / 分布計測 |
Research Abstract |
分布型光ファイバ水素センサの感応クラッドとして用いる白金担持酸化タングステン膜について白金とタングステンの比率や焼成温度を変化させた水素感応薄膜を作製し、その特性を評価した。まず、400-1700nm領域におけるエリプソメトリ測定を行ったところ、屈折率の波長依存性は大きくなく、約2.0であることが分かった。また、消衰係数はほぼ0であり、透明性が高いことが示唆されたが、白金含有量が大きくなると短波長ほど消衰係数が大きくなった。一方、水素応答特性は膜組成に強く依存し、白金比率が0.25程度において最も優れた性能を示した。また、焼成温度が500℃以上の領域では白金触媒の凝集による反応面積低下が生じるため、応答速度が低下することが分かった。次に、水素応答特性の湿度依存性を調べたところ、窒素雰囲気下における水素曝露特性は湿度の影響を受けないが、空気雰囲気下では大きな影響を受けることが分かった。この点については今後さらなる検討が必要であるが、実用上は水蒸気透過を妨げる保護皮膜などが必要と考えられる。次に、石英系コアファイバにクラッド膜を固定化した試料を作製・評価したところ良好な水素応答性が得られた。但し、水素感応クラッドの厚さが増大すると伝搬光量が大きく減少することが分かった。また、光ファイバ酸素センサの感応クラッドとして用いるルテニウム錯体膜については錯体とシリコン樹脂の配合比率を変化させたものをガラス基板上に形成させて同様の評価を行ったが。励起・発光波長域以外には特に大きな吸収特性はなかった。次に、感応クラッドとしてファイバに固定化したが、励起波長域におけるコア自体の損失が極めて大きいことが分かった。以上の研究成果に基づき、次年度は高屈折率材料をコアとして適用したセンサデバイスを作製し、各センサデバイスの感度、応答速度、長距離伝送特性の評価を行う。
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Research Products
(3 results)