2011 Fiscal Year Annual Research Report
顔の向きを捉えて応答できる視線座標インターフェースの構築
Project/Area Number |
21560446
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
寺戸 敏彦 岐阜大学, 工学部, 准教授 (70021798)
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Keywords | 超高齢社会 / 老々介護 / 独居老人 / 孤独死 / 眼球電図 / HMD / 視線座標 / インターフェース |
Research Abstract |
我が国では超高齢社会の進展に伴って福祉支援の充実が大きな社会問題となっている。近年では、老々介護や独居老人の世帯で孤立死や孤独死される高齢者が増えており、寝たきり状態でも外部との連絡に利用できるヒューマンインターフェースの開発が喫緊の課題である。本課題では寝たきり者でも利用できる「顔の向きを捉えて応答できる視線座標インターフェースの構築」を目指している。平成21年度にはディスプレイ提示された情報を視線追跡しながら外部対話を行うシステムを構築している。検証実験では眼球の動きを捉えた角膜網膜電位(眼球電図)から視線座標を検出している。しかし、眼球の振れ角が40度を超えると眼球電図出力が飽和することを明らかにした。平成22年度にはディスプレイをヘッドマウントディスプレイ(HMD)に変更して直線性の良い視線座標の検出システムを構築している。検証実験では眼球の振れ角に左右されない直線性の良い眼球電図出力が得られた。本年は最終年度で構築した2種類のシステムを用いて寝たきり生活者を対象に【I.検証実験測定】と【II.臨床実験測定】を進める予定であった。しかし、当研究室には医療設備も無く不慮の事故に対処できないことから予定していた実験測定を変更し、新たに「頭部の動きから視線座標を検出するヒューマンインターフェース」を構築して検証実験を進める。このシステムはめがねフレームの利き目でない側に無線式の3軸角速度センサーを取り付けてリアルタイムデータ処理手法で稼働させている。特徴は寝たきり状態でも装着できて身体の負担にならない簡便法である。検証実験は健常者を対象に測定した。その結果では頭部の動きから視線座標を高精度に検出できることを確かめた。以上の成果は、平成23年度電気関係学会東海支部連合大会、平成23年度電子情報通信学会技術研究報告会(LOIS2011-94)にて発表し、多くの皆様ら評価が得られた。
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Research Products
(4 results)