2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560454
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
中迫 昇 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (90188920)
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Keywords | 排気音 / リアソナー / 定在波 / パワースペクトル / 距離スペクトル / リニアチャープ音 / 推定距離の補正 / マイコン化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、自動車の消音管(マフラー)から出る排気音を用いて、自動車の後方にある障害物を検知するためのリアソナーを実現することにある。すでに昨年度までに、可聴音域での定在波を用いた距離推定については、様々な送信音が採用可能であることを確認している。また、スピーカ、対象物とマイクロホンの幾何学的配置による推定誤差を低減する方法についても提案している。今年度は以下のような成果が得られた。 1. 本推定法は観測信号にフーリエ変換を2度施す簡単な手法であり、その原理について解説した(中迫他、システム/制御/情報、54巻、pp.314-319)。提案手法は自己相関関数やケプストラムと手順が似ているため、それら手法との類似点や相違点について検討した(中迫他、騒音制御、34巻、pp.186-194)。これにより、既存の自己相関関数やケプストラムなどを改良しても、距離推定が可能であり、マイコンへの実装も可能と思われる。 2. 提案手法の分解能は送信信号の帯域幅によって決まり、近距離を測定するためには帯域幅を広くする必要があった。この問題点を改善するために、マイクロホンを2本用いることによって0mの距離まで推定可能にした(K.Kawanishi et al., Proc. of ISCIT2010(pp.164-169))。また、マイクロホンを2本用いることにより対象物(話者)の位置の推定も可能となった(中山他、電気学会論文誌C,130巻、pp.1994~2000)。 3. 最終的な目標が実音場への応用であることを考慮して、屋内外での実験を多数回行った。そのため、昨年度購入した機器類や今年度購入したノートパソコンなどをフル活用した。また、観測データの採取、データ整理などでは、アルバイトが大いに活躍してくれた。 以上の成果を踏まえて、最終の平成23年度における自動車の排気音を用いたリアソナーの開発につなげたい。
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Research Products
(19 results)