Research Abstract |
本年度は交付申請書に記載した1.視覚オブザーバ型協調制御,2.状況に応じて複数のタスクを切り替える協調制御アルゴリズム設計,3.柔軟な協調アルゴリズムの提案,4.ロボティックセンサネットワークシステムの構築の4点に取り組んだ.1.に関しては当初の予定通り,理論結果の導出に成功し,複数の国際会議や論文誌に採択されるなど,非線形オブザーバ型の協調制御によって協調の達成を保証した初の論文として高い評価を得た.2.に関しても予定した理論結果を導出し,国際会議にてBest Presentation Awardを受賞するなどの成果を得た.次年度も継続する予定であったが,想定よりも研究が順調に進んだため,次年度はその他の研究課題の発展に重点を置くこととする.3.に関しては,ゲーム理論と学習アルゴリズムを協調制御と融合させることで,目的の柔軟なアルゴリズム設計が可能となる事実を着想した.これにより,エージェントの追加や故障,環境変化に対してロバストに協調を達成することが準備研究において確認され,申請段階よりも明確な指針が築かれた.すでに準備結果として行った研究は国際会議や論文誌に採択されており,次年度は更なる発展研究を予定している.4.に関しては想定したロボティックネットワークシステムが一応の完成に至り,上記の理論研究の多くは既に本システみを利用した検証実験を記載している.ただし,当初予定していた一般の無線センサではなく,1.の研究の進捗に伴い,視覚カメラをロボットに搭載するシステムを構築するように計画を変更した.本システムの完成には,必ずしも専門家ではない人々にも研究の価値をわかりやすく伝えることが可能になった.なお,本システムの構築時の知見を活かして,複数のカメラから構成されるビジュアルセンサネットワークシステムの構築にも成功した.
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