2010 Fiscal Year Annual Research Report
情報結合構造の変化を考慮した群移動ロボットによる物体協調把持
Project/Area Number |
21560458
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
滑川 徹 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (30262554)
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Keywords | 群移動ロボット / 情報結合構造 / 協調把持 / 協調取り囲み / マルチエージェントシステム / フォーメーション制御 / 漸近安定性 / 合意問題 |
Research Abstract |
本研究の目的は,移動ロボット間の情報結合構造が時間的に変化する場合について,ターゲット(対象物)の追跡,包含,把持を達成できる制御方策を理論的に明らかにし,更にはその提案制御方策の有効性を実験的に検証することにある.この目的を達成するため平成22年度は以下の3項目に関して研究を行った. (1)固定した情報結合構造に対するターゲット把持の達成 マルチエージェントシステム全体の動作計画を行う際に,特に情報結合構造が固定されている場合に関して,「対象物の取り囲み」と「運搬・把持」の2つのモードに分けた分散制御方策を提案した. 具体的には,「取り囲み」モードでは,これまでに申請者が提案してきた制御則を発展させ,新たな制御則として自由なフォーメーション形態を取れるような制御則へと拡張した.また提案制御方策を用いた閉ループ系の漸近安定性を理論的に証明した. つぎに「運搬・把持」モードでは,仮想の把持対象物の入力を,適当なポテンシャル関数の勾配として設計することで達成した.更には,2つのモード「取り囲み」と「運搬・把持」のモード切り替えのための適切な切り替えアルゴリズムを提案し,スムーズに切り替えが可能であることを示した. (2)シミュレーションによる提案法の有効性検証 ここでは(1)で提案した「対象物の取り囲み」と「運搬・把持」の2つのモードでの制御則と導出した定理の検証を主目的として,シミュレーションによって有効性を検証した.またアニメーションを用いたシミュレーション評価の可視化を行った. (3)制御実験環境の整備 今年度新たな無線通信機器と移動ロボットを整備し,制御実験の環境を整えた.今後ハードウェア/リアルタイム制御環境を再構築し,次年度は制御実験による検証を実施する.
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