2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560463
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和田 光代 Osaka University, 工学研究科, 特任准教授 (70201259)
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Keywords | 制御工学 / ディスクリプタ方程式 / 安定化 / 線形微分不等式条件 / 微分代数方程式 |
Research Abstract |
ディスクリプタ方程式表現は,変数変換や逆変換等の複雑な変換を用いることなく対象システムを数式表現でき,かっ,静的拘束条件を動的要素と共に記述できるという特徴をもっている.すなわち,従来からよく用いられてきた状態方程式表現に比べ,ディスクリプタ方程式表現はより柔軟で高い記述能力を有している.本研究では,このようなディスクリプタ方程式表現の特徴を活かし,さまざまな制御問題をディスクリプタシステムの安定化問題と捉え,その解法を提案することを目的とし,当該年度において,以下の成果を得た. 1. 線形時変ディスクリプタシステムに対して,安定条件とディスクリプタ変数フィードバックによる安定化可能条件を微分LMI(線形行列不等式)により必要十分条件として導出し,さらに,安定化ディスクリプタ変数フィードバック制御器を与えた.微分LMIの一般的な数値計算法は未だに開発されていないため,微分LMIの一解法を例題によって示し,本手法の有効性を検証した. 2. 線形時変ディスクリプタシステムに対して,動的な出力フィードバック制御器による安定化可能条件を微分LMIにより必要十分条件として導出し,制御器構成法を与え,例題によりその有効性を検証した. 3. 線形時変ディスクリプタシステムに対するH ∞制御問題の解法を微分LMIによって与えた. 4. 一般的なシステムにおける指数安定性の概念を見直し,減衰速度を考慮に入れた新たな安定性の概念(λ安定性)を提案し,そのための条件を導出し,例題によりその効果を示した.
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