2009 Fiscal Year Annual Research Report
次世代高品質数値計算に基づく制御系開発支援システムの構築
Project/Area Number |
21560467
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
古賀 雅伸 Kyushu Institute of Technology, 大学院・情報工学研究院, 准教授 (90251644)
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Keywords | 制御工学 / 制御系CAD / 数値計算 |
Research Abstract |
近年、大規模複雑なシステムや、スケールの異なるシステムを練成させたマルチスケール・システムに関する数値計算が増え、標準的な倍精度演算による計算誤差を無視できなくなりつつある。本研究では、申請者が開発してきた多倍長精度計算や精度保証付き数値計算に基づく高品質数値計算ライブラリを拡張し、高精度計算を必要とするなシステムの制御系開発を支援できるシステムを構築することを目的とする。具体的に以下の内容を実施した。 1. 高品質数値計算ライブラリの開発 (1) ソフトウェア開発環境の構築 申請したソフトウェア開発サーバに開発ソフトウェアをインストールし、WindowsおよびLinuxにおけるソフトウェア開発環境を構築した。 (2) 多倍長精度計算ライブラリの開発 計算機環境に柔軟に対応できるよう複数のライブラリを切り替えて使用できる汎用的な多倍長精度Javaクラスを作成した。汎用的な数値を表すクラスを定義し、多倍長精度クラスにそれを継承させた。 (3) 精度保証付き数値計算ライブラリの開発 区間を表す汎用的なクラスを作成し、これを用いて区間演算行列を定義した。 2. オープンなモデリング・シミュレーションツールの開発 (1) オブジェクト指向数値計算ライブラリの開発 制御系開発における数値計算で必要となる複素数、行列、多項式などのクラスを定義し、MaTXで用いられているアルゴリズムを参考に、計算メソッドを実装した。 (2) オブジェクト指向制御システムライブラリの開発 システムの分類に対応するJavaインターフェースを定義し、それらを組み合わせることで、複数の性質を持つシステムを定義した。具体的な基本システムを表すクラスや独自システムを定義するための雛形を抽象クラスとして定義した。
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