2010 Fiscal Year Annual Research Report
非線形最適制御問題に対する統一理論の構築および数値実験による検証
Project/Area Number |
21560472
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
井前 讓 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (30184807)
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Keywords | 制御工学 / 最適制御 / 非線形系 / 統一理論 / 非可微分関数 / 数値解法 / デスクリプタ形式 |
Research Abstract |
本年度は,非線形最適制御問題の統一理論の構築(継続)と非可微分な非線形最適制御問題に対する数値解法の部分的確立をそれぞれ目的とした.実績は以下の通りである. 1. 状態の跳躍を含む統一理論の構築(継続):状態の跳躍現象に対し従来の「連続量の一部」との考えを発展させ,「状態軌道の折りたたみ」を考案しその可能性を検討した.どちらの場合も状態の次元は一時的に増大するが,後者のほうが次元は小さい傾向であることがわかった.しかし,後者は数学的には取り扱いが困難であることもわかった.したがって,統一理論の確立には両者の融合が必要と判断した.その融合のための接着剤として,前年度の検討を参考にして状態の不連続量を許容するデスクリプタ形式の表現を再検討した.また,デスクリプタ形式の表現と数値解法との相性に関して詳細に再検討した. 2. 非可微分な数値解法の部分的確立:何種類かの非可微分な概念を比較検討した.非可微分な最適制御制問題に対する数値解法として,微分可能な関数からの近似手法が実用的であるとの観点から,微分可能関数によるある種の極限関数から構成されるラパーを非可微分な概念として決定した.これにより非可微分関数に関連する微分情報を十分に利用できることが期待できると同時に,これまでに確立されている通常の数値解法に類似した形で非可微分アルゴリズムの確立が期待できる.ところで,以上は実用的な観点からの評価が中心である.今後の重要な検討課題として,数値解法の理論的な収束証明に関して不明確な部分が存在することも明らかになった.
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Research Products
(2 results)