2010 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリートの収縮ひずみに及ぼす骨材の影響に関する研究
Project/Area Number |
21560485
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
梅原 秀哲 名古屋工業大学, 学内共同利用施設等, 理事 (70151933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 亮 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教 (40548575)
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Keywords | コンクリート / 収縮ひずみ / 粗骨材 / 乾燥収縮 / 自己収縮 / インクボトル空隙 |
Research Abstract |
コンクリートの収縮ひずみは、最近は骨材事情の変化から従来の値に比べて、著しく大きな値を示すことが多くみられる。しかし、収縮ひずみを求める試験方法が確立していないため、昨年度は打込み直後からの自己収縮ひずみを測定する試験方法と乾燥収縮試験方法を組み合わせて、材齢7日まで封緘養生して自己収縮ひずみを測定後、室内養生により乾燥収縮ひずみを測定する試験方法を提案した。 今年度は、高炉スラグ、砂岩砕石、石灰岩砕石および人工軽量骨材を用いたコンクリート供試験体を材齢7日まで封緘養生して自己収縮ひずみを測定後、室内養生により乾燥収縮ひずみを材齢180日まで測定した。さらに、これらの骨材の吸水量と水銀圧入法による空隙測定も行った。 高炉スラグや人工軽量骨材を用いたコンクリートは自己収縮ひずみが小さく、砂岩砕石や石灰岩砕石を用いた場合の1/3程度であった。しかし、砂岩砕石を用いたコンクリートの乾燥収縮ひずみは非常に大きく、石灰岩砕石を用いた場合の3倍程度で、高炉スラグを用いた場合の1.5倍程度であった。高炉スラグや人工軽量骨材には水銀圧入法により骨材の空隙内に貯留領域(インクボトル空隙)の存在が確認され、砂岩砕石や石灰岩砕石にはインクボトル空隙の存在が確認されなかったことから、骨材のインクボトル空隙に貯留された水分がセメントペーストに移動することにより自己収縮ひずみが低減されたものと思われる。 一方、コンクリートの乾燥収縮ひずみは粗骨材自体の乾燥収縮ひずみに大きく影響されることが言われており、砂岩砕石自体の乾燥収縮ひずみが大きいため上記のような結果になったと思われる。
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