2009 Fiscal Year Annual Research Report
空隙量評価に基づく再生骨材コンクリートの性能評価予測手法の構築
Project/Area Number |
21560487
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐川 康貴 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 助教 (10325508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麓 隆行 近畿大学, 理工学部, 講師 (30315981)
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Keywords | 再生骨材 / 再生骨材コンクリート / 空隙量 / 細孔構造 / 強度 |
Research Abstract |
本研究では,低炭素社会構築に向け,有効利用が期待される,低品質・中品質(JISの再生骨材L, M相当)の再生骨材を用いたコンクリートおよびモルタルの強度・物質透過性を予測する手法を構築することを目的とし,まず,「セメント総水量比C/TW」,「空隙量」および「コンクリート性能」の相互関係について考察した。その結果,吸水率が高い低品質な再生骨材ほど,新セメントペースト部に形成される空隙量(直径50nm~2μmの細孔容積)が大きくなること,また,配合から求められるC/TWと細孔容積との間には負の相関関係が認められること等を明らかにし,プレウェッティングにより再生骨材に吸水された水分がセメントの水和反応に直接影響を及ぼしていることを示した。 また,再生骨材の吸水量と原コンクリートコアの吸水率との差から求められる余剰水量Wexを求め,Wexと再生骨材使用モルタルの強度との関係を求めた結果,指標としてC/TWよりもC/(W+Wex)を用いた方(ここで,Wは単位水量を示す)が,強度との相関が高い結果が得られた。よって,吸水量の一部がコンクリートの自己養生に寄与しているものと推察された。 次に,モルタル中の空隙量および空隙分布を求めるにあたり,蛍光顕微鏡観察における画像処理手法について検討を行った。その結果,グレースケール画像の2値化処理において,しきい値を50に設定することで空隙を最も明確に表現可能であること,また,この場合の空隙量は水銀圧入式ポロシメータにより求めた空隙量とほぼ相関が有ること等を明らかにした。さらに,マイクロフォーカス型X線CTスキャナによりモルタルを観察し,蛍光顕微鏡で観察する場合よりも広い範囲で観察・計測が可能となること,ブリーディングによる水みちを観察可能であること等を確認した。
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