2010 Fiscal Year Annual Research Report
回転型ラインセンサによる全視野ひずみ計測方法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
21560488
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
伊藤 幸広 佐賀大学, 工学系研究科, 准教授 (90223198)
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Keywords | ラインセンサ / ひずみ / 画像 / スキャナ / コンクリート / 鋼材 / 走査 / デジタル画像相関法 |
Research Abstract |
老朽化構造物の剥落危険箇所や耐荷・耐震性を検査し、国民の生命・財産の保全および社会資本ストックの延命化を図るためには、安価で簡易に応力やひずみを計測する方法を早急に開発する必要性がある。本研究では、CCD素子が直線上に配置されたラインセンサを光源とともに副走査(平行移動)させることで2次元画像を撮影し、ひずみ発生前後の1組の画像を用いデジタル画像相関法によりひずみを高精度に計測する撮影機器および方法について研究を行ったものである。 本年度(実施期間:平成22年4月~平成23年3月)は高精度な計測手法の確立を目的として実験を行った。主要な建設材料であるコンクリートの角柱試験体を作製し、耐圧試験機で一軸方向に載荷をした場合の軸方向ひずみおよびポアソン方向ひずみを、ひずみ計測装置と表面に貼付したひずみゲージで計測を行い比較検討した。また,実験データより計測精度や誤差要因を調べ、装置やプログラムの改良を行った。なお、本装置は屋外のロバストな計測に対応することを目的とするため、屋外で計測した場合の温度変化、操作時の人的エラーなどの誤差要因を調べ、適用範囲や誤差の補正方法について検討を行った。 実験結果としては、最も鮮明にスキャニングできる焦点距離を調べた結果,焦点距離は1.2mmであることが判明した。取り外しによって生じた誤差は,水平,鉛直いずれの方向に装置を設置した場合でも誤差は小さく3μ以下であった。取り外しによる影響はほとんど無いといえる。汚れによる影響に関しては、泥を表面に塗る工程を10回繰り返しスキャニングした結果、6回目まで精度が得られることが明らかとなった。装置の使用環境温度の影響としては、温度変化によって見掛け上のひずみが発生するが、見掛けひずみは環境温度と比例関係にあるため現場では温度補正が可能となる。
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Research Products
(6 results)