2011 Fiscal Year Annual Research Report
回転型ラインセンサによる全視野ひずみ計測方法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
21560488
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
伊藤 幸広 佐賀大学, 工学系研究科, 准教授 (90223198)
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Keywords | ラインセンサ / ひずみ / 画像 / スキャナ / コンクリート / 鋼材 / 走査 / デジタル画像相関法 |
Research Abstract |
開発した装置は,ひずみ計測による表面の応力状態の把握から各種建設構造物の耐力調査や劣化診断など,広範囲に適用できる可能性が高いことが明らかとなった。本年度は,以下の項目について本装置の維持管理装置としての適用性について実験的に検証を行った。 (1)橋梁の耐荷性能評価 劣化した橋梁の桁の載荷試験において,載荷前後の表面ひずみを面的に本装置により計測することによって,中立軸の位置,平面保持の確認が簡易に精度よくできることを実験的に確認した。載荷試験に使用した桁は,桁長約22mのポステンT桁橋である。本装置は載荷試験時において,下フランジの側面に設置し,載荷荷重毎の橋軸方向のひずみを計測した。結果として,下フランジ側面という狭い範囲ながら,ひずみの鉛直方向分布は直線的に変化していることが確認できた。また,各荷重毎のひずみ分布データから単回帰式を求め,桁の中立軸を推定する手法を確立した。 (2)鉄筋の腐食モニタリング手法の検討 本装置を用いて鉄筋の腐食によってコンクリート表面に発生するひずみ分布を計測し,鉄筋腐食モニタリングを行う手法について基礎的研究を行った。鉄筋腐食によってコンクリート表面に生じるひずみを計測するために,鉄筋を埋設した試験体を用いた電食実験を行った。実験の結果から,鉄筋腐食の膨張圧によってコンクリート表面に生ずる引張ひずみを計測できることが明らかとなった。また,ひび割れが発生する以前から腐食による引張ひずみが集中する領域を確認できた。 (3)PC構造物の現有応力の推定方法の検討 現有応力を測定する応力解放法の新しい手法として,応力解放部分のひずみ分布を本装置により測定後,2次元FEM解析を行うことにより現有応力を推定する手法について検討した。推定精度を検証するためにRC試験体に圧縮試験機を用いて載荷試験を行った結果,精度良く応力推定ができることが明らかとなった。
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