2010 Fiscal Year Annual Research Report
高温条件下における各種セメントの自己収縮の実用評価式
Project/Area Number |
21560489
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Research Institution | Ashikaga Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮澤 伸吾 足利工業大学, 工学部, 教授 (10157638)
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Keywords | マスコンクリート / 自己収縮 / 予測式 / 温度応力 |
Research Abstract |
本研究では,セメントの水和発熱に起因する温度ひび割れ発生の危険度の推定に温度応力解析を実施することを想定し、各種セメントおよび幅広い温度条件(部材寸法および施工時期)に適用可能な自己収縮ひずみの実用評価式を構築することを目的としている。 平成22年度は、普通ポルトランドセメント、高炉セメントB種及び低発熱・収縮抑制型高炉セメントを用いた場合について、高温履歴条件下における自己収縮予測式を構築することを目的する。想定する部材の寸法は0.1m~2m程度とした。コンクリートの施工時期を考慮して,打込み温度は10℃及び25℃に設定した。これらの条件でコンクリートを打込み,供試体を温度可変室に設置することによってコンクリートに高温履歴を与えて、材齢2週間まで自己収縮ひずみの計測を実施した。 自己収縮の試験にあたっては,一般に使用されている100×100×400mm角柱供試体のほかに、400×400×400mm供試体を用いて、供試体の形状寸法が試験結果に及ぼす影響についても検討した。初期材齢における膨張過程においては供試体の形状寸法の影響が見られたが、最大膨張時以降のひずみで比較すると、供試体による差は小さくなった。「マスコンクリートのひび割れ制御指針2008」(JCI指針)の自己収縮予測式では、自己収縮ひずみの終局値をコンクリートが経験する最高温度の関数としているが、普通ポルトランドセメント及び高炉セメントB種を用いた本研究の実験結果から、JCI指針の自己収縮予測式の妥当性が確認できた。
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