2010 Fiscal Year Annual Research Report
寒冷地道路トンネルにおける断熱工法の合理的・経済的設計法の提案
Project/Area Number |
21560494
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三上 隆 北海道大学, 大学院・工学研究院, 教授 (00002303)
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Keywords | 構造工学 / トンネル工学 / 寒地工学 / 温度応力 |
Research Abstract |
主に在来工法により建設された既設トンネルについて検討を行い下記の研究成果が得られた。 1)冬期間における覆工表面の温度応力について、トンネル坑口付近とトンネル中心部における円周方向応力、軸(延長)方向応力に与える各種パラメーター(トンネル延長L、覆工厚h、地山の熱伝導率λ、トンネル径r、風速v)の影響を検討した。その結果、トンネル中心部における両応力は、rの影響はなく、Lが小さい程、またh、λ及びvが大きい程応力の値が大きくなること、一方トンネル坑口付近ではLとvの影響はなく、rが小さい程、またh及びλが大きい程応力の値が大きくなることが明らかになった。 2)道内の既設トンネルの場合、覆工表面の円周方向応力と軸方向応力の取り得る値の範囲は、両応力(σと記す)ともに0.1≦σ/(Eαθ)≦0.3となる。ただし、E=覆工コンクリートの弾性係数、α=コンクリートの線膨張係数及びθ=トンネル建設地点の年温度振幅である。なお上述の関係式は、北海道内の在来工法により建設されたトンネル諸元に対して成立するもので、トンネルの健全度評価等に有用に利用できるものである。 3)トンネルを維持管理する技術者の利便性を考えて、トンネル坑口付近の円周方向応力(σ_θ)及び軸方向応力(σ_z)の最大値の簡易な算定式をトンネル径r(m)と覆工厚h(m)をパラメーターとして導いた。 r=3m;σ_θ/(Eαθ)=0.2129h+0.0399、σ_z/(Eαθ)=0.2031h+0.0381 r=4m:σ_θ/(Eαθ)=0.2068h+0.0350、σ_z/(Eαθ)=0.1956h+0.0345 r=5m;σ_θ/(Eαθ)=0.2025h+0.0032、σ_z/(Eαθ)=0.1865h+0.0345 ただし、h(m)=0.4~1.2。
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Research Products
(3 results)