2010 Fiscal Year Annual Research Report
振動モード法に基づくロングレール軸力測定法の理論的検討
Project/Area Number |
21560499
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
阿部 和久 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40175899)
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Keywords | 曲線レール / 波動分散特性 / 加振応答解析 / 温度応力 |
Research Abstract |
本年度は,軸力を受ける曲線ロングレールを対象に,振動法によるレール軸力測定法の適用可能性について解析的検討を行った,その結果得られた成果は以下のとおりである. 軸力を受けるまくらぎ離散支持曲線レールの分散解析 曲線ロングレールを,一定の曲率半径を有する無限周期構造としてモデル化し,それを構成する最小単位であるユニットセルの両端にFloquet原理を適用することで,波数・周波数・軸力空間における波動分散曲面を求めた.その結果,前年度に求めた直線レールの分散曲面と実質的に一致する関係を得た.すなわち,レール締結位置を節とした定存波モードが,まくらぎや道床の物性値の影響を受けず,さらに軸力に対する周波数感度が比較的鋭敏であり,軸力測定に最適であるとの結論を得た.また,このことより,通常の鉄道軌道で用いられている曲率半径の範囲内であれば,曲率が軌道の分散特性に及ぼす影響は無視でき,曲線区間でも直線軌道を対象とした本振動法による軸力測定が適用可能であることがわかった. 加振応答解析による測定法の有効性の検証 実際の軸力測定を想定し,レール加振による所定の振動モードの抽出可能性について検討した.その際に,曲線区間の前後に緩和曲線および直線区間を設定し,現実の軌道により忠実なモデルを構成した.その結果,レール加振により得られた共振応答の卓越周波数と軸力との関係が,分散解析より得た固有周波数と軸力との理想的関係とほぼ一致することを確認した.このことより,曲線区間であっても,軸力測定に用いられるレール振動モードを定点加振により励起可能であることがわかった.
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