2009 Fiscal Year Annual Research Report
衝撃弾性波法における時間領域信号に基づくPCグラウト充填度評価
Project/Area Number |
21560505
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
森 和也 Kumamoto University, 自然科学研究科, 教授 (50190989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥越 一平 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (40134663)
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Keywords | 衝撃弾性波法 / PCグラウト / シース管 / 非破壊検査 / 充填度 |
Research Abstract |
PCグラウト充填度の実用的な非破壊検査法の開発を目的として,衝撃弾性波法の精度向上を図った.改善点は,(1)検査に用いる弾性波の安定化と,(2)シース管から反射する弾性波の抽出である. 弾性波の安定化には,多数回打撃による弾性波の加算平均が有効であり,その打撃にはエアソフトガンが便利であることを明らかにした.エアソフトガンは,直径6mmのプラスチック弾を用い,秒速数十メートルで打ち出す.コンクリート壁との衝突接触時間は約23μsであり,発生する弾性波の周波数は50kHzに達する.その弾性波の周波数および強度はPCグラウトの検査に適している.また,シース管から反射する弾性波の強度は弱く,その波形を抽出するには反射の到着時刻を同期させて加算平均することが有効であることを示した. 以上の改良を持って,PCグラウトの充填度評価試験をおこなった.直径38mm,シース中心深さ375mmのシース管に対しては,充填と未充填の判別は可能であった.しかしながら,この方法ではシース管の位置が明らかであること,など実用的に問題がある.これらの結果を踏まえて今後の方向性が明らかになった.それは以下の2点である. 1.表面波の成分の除去. 2.結果のトモグラフィーによる画像化. そこで,上記の課題を解決すべく次年度は研究を展開する.具体的には,一回の打撃に対する多点計測である.多数点を同時計測することよって,表面波を同定し,計測信号から表面波成分を減算して,有効信号を抽出する.また,多点計測は打撃点の決定も可能である.そこで,任意の打撃点に対して,打撃点を自動的に検出し,時間領域信号と弾性波の反射位置を関係付けて画像化する.
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