Research Abstract |
PCグラウト充填度の実用的な非破壊検査法の開発を目的として,衝撃弾性波法の精度向上を図った.改善点は,(1)多点計測による打撃点の自動推定,(2)多点計測によるノイズの低下,(3)評価結果のイメージングである. 弾性波の安定化には,多数回打撃による弾性波の加算平均が有効である.これまでは,打撃点を測定しながら計測をおこなっていたので,作業効率があまり良くなかった.今年度の研究によって,多点の計測点に到達する弾性波の時刻から,打撃点を自動計測することが可能になり,作業性がかなり向上した.また,これまでは,一回の打撃に対して一個所の計測であった.多点同時計測によって,波形情報が多く得られ,表面波の影響の除去(ノイズの低減)に対して有効であった. 多点計測によって3次元的なデータの解析が可能になり,イメージングにおける効果的な作画が可能になった.さらに,多点計測において,計測点間の距離が既知であるため,弾性波の速度の自動推定や衝撃時刻の決定も自動でおこなえるようになった. 現在のところ,平成22年度の目標であった表面波の除去は成功していない.表面波の大きさは,検出対象から反射して検出される波の大きさよりはるかに大きい.そのため,表面近く(打撃点近く)の情報を得ることができていない.平成23年度は,表面波の除去を第一の目標として取り組む. 平成22年度の研究で,検査表面の変位データの加算が,欠陥検出に有効であることが分かった.そこで,次年度はレーザードップラー速度計の変位出力を用いて,計測実験をおこなう.
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