2009 Fiscal Year Annual Research Report
水平2方向地震力を受ける高速道路鋼製橋脚のハイブリッド耐震性能実験
Project/Area Number |
21560508
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
青木 徹彦 Aichi Institute of Technology, 工学部, 教授 (70064946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 森晶 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (90273276)
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Keywords | 鋼製橋脚 / 水平2方向載荷実験 / ハイブリッド実験 / 繰り返し載荷実験 / 高速道路橋脚 / 耐震設計 / 耐震性能実験 / 正方形断面鋼製橋脚 |
Research Abstract |
研究の主な目的は、現在の高速道路橋脚の耐震設計の基となっている水平1方向地震力による耐震性能評価に代えて、より実際に近い水平2方向からの地震力を用いた耐震実験を行って、従来の水平1方向地震力による耐震性能評価との違いを明らかにすることである。 今年度の研究として、当初の交付申請書で計画したほぼ予定通りの内容を行い以下のような研究成果が得られた。 1)はじめに水平2方向ハイブリッド実験の手法を確立した。 2)これを用いて、道路橋設計示方書に規定された3種の地盤種に対する入力地震波を用いて、水平1方向および2方向の地震波入力のハイブリッド実験を9体の試験体に対して実施し、両者の比較を詳細に行うことができた。 3)水平1方向入力と水平2方向入力の結果を比較すると、地盤種、(固い地盤)と、2(中間地盤)では大きな差は見られなかったが1地盤種3(やわらかい地盤、日本の大都市沿岸部の大部分)では1方向載荷では倒壊しなかった橋脚が2方向載荷では倒壊に到った。すなわち、現行の設計基準では危険な場合があることが判明した。 4)以上の研究結果をまとめ、平成22年3月の土木学会・構造工学論文集に投稿、発表した。 5)水平2方向載荷実験では、特殊な実験装置が必要であり一般の研究機関では実施が困難であるため、従来から水平1方向実験が多く行われている。これらの結果を有効に活用するため、また、1方向載荷実験から、2方向実験結果が予測できれば有益なため、本研究では、多数のハイブリッド実験を行わないで、一度だけ静的繰り返し実験を行っておけば、あとは数値解析的に、任意の地震波に対してハイブリッド実験と同じ結果が得られる擬似ハイブリッド実験手法を開発し、一方向ハイブリッド実験と比較した。結果は良好な一致が見られ、実用的であることが分かった。現在この内容を論文としてまとめ、土木学会論文集ほか国際学会誌に投稿準備中である。
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Research Products
(2 results)