2011 Fiscal Year Annual Research Report
水平2方向地震力を受ける高速道路鋼製橋脚のハイブリッド耐震性能実験
Project/Area Number |
21560508
|
Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
青木 徹彦 愛知工業大学, 工学部, 教授 (70064946)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 森晶 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (90273276)
|
Keywords | 銅製橋脚 / ハイブリッド実験 / コンクリート充填 / 水平2方向載荷 / 最大応答荷重 / 最大応答変位 / 最大応答変位 / 残留変位 |
Research Abstract |
[本研究の意義] 我が国の現行の土木構造物の主な耐震設計基準である道路橋設計示方書によると、最重要構造部材と位置付けられている高速道路橋脚では、実地震動が水平に2方向から作用するにもかかわらず簡単のためまた十分な研究成果が得られていないために、水平に1方向からの地震入力による実験結果に基づいて設計が行われており、水平2方向載荷実験データに基づく安全性の確認が求められていた。本研究ではこれに応えるために行われたもので、研究成果は重要構造物の耐震安全性の向上に大きく寄与するものである。 [具体的内容] 今年度では当初の計画通り、コンクリートを充填した鋼製橋脚実験供試体20体を用いて、従来の1方向地震力および、2方向載荷のハイブリッド実験を行い、両者を比較することによって、耐震安全性の評価を行った。鋼製橋脚に充填するコンクリート高さは0%、20%、40%変えて、コンクリート充填高さの影響を調べた。その結果、耐震強度に関しては水平1方向と2方向載荷の間にはほとんど差がみられなかったが、耐震設計で重要となる最大応答変位、残留変位に関して、コンクリート無充填の場合、軟弱地盤種では3倍近くも、2方向載荷の結果が大きくなり危険であることが明らかとなった。コンクリート充填高さが大きくなるにつれ、その差は小さくなり、40%充填率では2倍程度となった。しかしなお危険であり、設計示方書の改善が必要であることを明らかにした。 ハイブリッド実験では、実地震波の影響を直接調べることができるが、1つの地震波に対して1つの実験供試体が必要となり、多額の実験費用が必要となる。そこで、数値解析的に精度よく実験を再現できるようなマルチばねを橋脚基部に有する解析モデルを開発した。解析法の独創的なところは、ばね特性値を静的繰り返し実験により同定したことである。コンクリートを充填しない橋脚に対する解析結果と実験結果を比較し、精度のよい解析法であることを明らかにした。
|
Research Products
(7 results)