2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560509
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
葛 漢彬 Meijo University, 理工学部, 教授 (90262873)
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Keywords | 鋼製橋脚 / 延性破壊 / 極低サイクル疲労 / ランダム載荷 / 照査法 / 弾塑性挙動 / シェル解析 / ファイバーモデル |
Research Abstract |
本年度は,単柱式鋼製橋脚を対象に,ランダム載荷を受ける場合の延性き裂進展挙動を明らかにすること,および既往の研究で提案されている延性き裂発生評価法の適用性を,ランダム載荷履歴について検証することを目的に検討を行った.まず,ファイバーモデルによる動的解析を実施し,レベル2地震動を受ける際の応答変位および損傷度を評価した.得られた応答変位を実験供試体に頂部変位として与え,延性き裂発生・進展挙動を観察した.次に,シェル解析により実験供試体を詳細にモデル化して静的繰り返し載荷を行い,損傷度による延性き裂発生点の評価を行った. また,実際の耐震設計に応用可能な延性き裂発生評価手法の構築を目的に,繰り返し荷重を受ける単柱式鋼製橋脚実験供試体を対象に,はり要素を用いた解析(はり解析)を実施した.延性き裂発生箇所近傍のひずみ集中現象を補正する係数を導入した損傷度による評価手法について検討し,はり解析による延性き裂照査法を提案した.具体的には,次のようなことを明らかにした.シェル解析で用いた損傷度をはり解析で得られた塑性ひずみ履歴に適用すると,シェル解析による損傷度よりもかなり小さくなり,実験の延性き裂発生点を予測できない.シェル解析とはり解析から得られた塑性ひずみ範囲から,はり解析では再現できないひずみ集中現象を補正する係数βを算出し,βを導入した損傷度による評価手法を提案した.βを導入した損傷度による本評価手法は実験の延性き裂発生点を若干遅く評価することもあるものの,シェル解析と同等の延性き裂発生評価が可能である.最後に,本手法による延性き裂照査法の概念を示した.
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